「保育士になるには難しい国家試験に合格しないといけないの?」「専門学校を卒業するだけで本当に資格がもらえるって本当?」と疑問に思っていませんか?
インターネットで「保育士 専門学校」と検索すると、「無試験」「試験免除」「卒業と同時に取得」といった魅力的な言葉が並んでいます。難関と言われる国家資格が、本当に試験なしで取得できるのか、何か裏があるのではないかと不安に感じる方もいるでしょう。
結論から言うと、これは全く怪しい話ではありません。国が定めた正式な制度に基づく確実なルートです。本記事では、現役保育士でありSEOライターでもある筆者が、試験免除で保育士資格が取得できる「指定保育士養成施設」の仕組みと、独学で国家試験を受けるルートとの決定的な違いを徹底解説します。
国家試験が免除される「指定保育士養成施設」とは?
専門学校に通うことで保育士試験が免除される理由は、その学校が厚生労働省から「指定保育士養成施設」として認可を受けているからです。
児童福祉法に基づく正式なルート
指定保育士養成施設とは、児童福祉法第18条の6第1号の規定に基づき、厚生労働大臣が指定した学校(大学、短期大学、専門学校など)を指します。 この指定を受けた学校に入学し、国が定めた必修科目(座学・実技・実習)の単位をすべて修得して卒業すれば、それが「保育士として必要な知識と技術を十分に身につけた」という公的な証明になります。そのため、改めて国家試験(筆記・実技)を受験する必要がなく、各都道府県に登録申請を行うだけで「保育士証」が交付されるのです。
なぜ国は試験を免除するのか?
「試験をしないと質の低い保育士が生まれるのでは?」と思うかもしれません。しかし、指定保育士養成施設に対する国の基準は非常に厳格です。 教員の数や保有資格、施設設備、カリキュラムの時間数、そして現場での実習(保育所実習・施設実習など)の日数に至るまで、細かく規定されています。この厳しい基準をクリアし、2年間(または3年間)かけてみっちりと学生を指導・評価する教育機関だからこそ、国は「試験の代わり」として特権を与えているのです。一発勝負のテストよりも、長期間の継続的な学習と現場実習を評価する仕組みと言えます。
【比較】国家試験受験ルートとの決定的な違い
保育士資格を取得するには、「指定保育士養成施設を卒業する」ルートと、「保育士国家試験を受験して合格する」ルートの2つしかありません。この2つの違いを明確に理解しておきましょう。
国家試験ルートの過酷な現実(合格率は約20%)
独学や通信教育を利用して国家試験に挑む場合、受験資格(短大卒以上など、一定の条件あり)を満たしていれば誰でも挑戦できます。費用は安く済みますが、最大の壁はその「難易度」です。 筆記試験は全9科目あり、すべてで6割以上の点数を取る必要があります。さらに筆記を通過した者だけが実技試験(音楽・造形・言語から2分野選択)に進めます。近年の合格率は例年20%前後で推移しており、非常に狭き門です。
「科目合格制度(合格した科目は3年間有効)」があるため、何年もかけて少しずつ合格を積み重ねる人もいますが、モチベーションの維持が難しく、途中で挫折してしまうケースが後を絶ちません。
専門学校ルートなら「確実」に「最短」で取得可能
一方、指定保育士養成施設である専門学校のルートは、入学試験を突破し、真面目に授業に出席して単位さえ落とさなければ、「確実に」資格が手に入ります。 国家試験の勉強に何年も費やすリスクを考えれば、2年間できっちりと学び終え、そのままストレートに現場へ就職できる専門学校ルートは、結果的に最もタイムパフォーマンが良い(最短である)と言えるでしょう。また、国家試験ルートでは経験できない「保育実習」を学生のうちに経験できるため、就職後のギャップが少ないという圧倒的なメリットもあります。
専門学校選びの落とし穴!「すべてが指定施設」ではない
ここで、専門学校を選ぶ際の最も重要な注意点をお伝えします。「保育系の専門学校であれば、どこでも無試験で資格が取れる」と思い込んではいけません。
「指定保育士養成施設」と「試験対策校」の違い
専門学校の中には、指定保育士養成施設としての認可を受けていない学校も存在します。そうした学校の学科は「保育士受験対策コース」や「チャイルドケア専攻」といった名称になっていることが多く、授業内容はあくまで「国家試験に合格するための勉強(試験対策)」です。 つまり、2年間学校に通って学費を払ったとしても、最後に国家試験を受験して合格しなければ、保育士にはなれません。
パンフレットや募集要項の「ここ」を確認!
入学後に「卒業しても資格がもらえない!」と絶望しないために、パンフレットやウェブサイトで以下の記載を必ず探してください。
- 「厚生労働大臣指定 指定保育士養成施設」という明記があるか
- 取得資格の欄に「保育士資格(卒業と同時に取得)」または「無試験で取得」と書かれているか
少しでも表記が曖昧な場合は、オープンキャンパス等で直接教員に「卒業するだけで保育士資格の登録が可能ですか?それとも国家試験の受験が必要ですか?」とストレートに確認しましょう。また、厚生労働省の公式ウェブサイトでも、全国の指定保育士養成施設の一覧を確認することができます。
幼稚園教諭免許(Wライセンス)取得のカラクリ
「保育士 専門学校」について調べると、保育士資格だけでなく「幼稚園教諭二種免許状」も同時に取得できる(Wライセンス)学校が多いことに気付くでしょう。実はこれにも、専門学校ならではの仕組みがあります。
管轄の違い(厚生労働省と文部科学省)
保育士は厚生労働省管轄の「児童福祉施設」で働くための資格ですが、幼稚園教諭は文部科学省管轄の「学校(教育施設)」で働くための免許です。管轄が異なるため、本来は別々の要件を満たす必要があります。
「教育連携(併修制度)」によるダブルスクール
専門学校単独で幼稚園教諭免許を発行できる(文部科学省の指定も受けている)学校もありますが、多くの専門学校は「短期大学の通信教育部との併修(教育連携)」というシステムを採用しています。 専門学校に入学すると同時に、提携している短期大学(近畿大学九州短期大学、豊岡短期大学、小田原短期大学など)の通信教育部にも籍を置きます。そして、専門学校での日々の授業が、そのまま短大の卒業単位としても認定される仕組みになっています。 これにより、学生は専門学校のキャンパスに通いながら、2年間で「専門学校の卒業(専門士・保育士資格)」と「短期大学の卒業(短期大学士・幼稚園教諭二種免許状)」の両方を同時に手に入れることができるのです。
認定こども園の普及により、現在はこのWライセンスが就職において半ば必須条件となりつつあるため、この併修制度が整っている指定保育士養成施設を選ぶことがスタンダードになっています。
まとめ:確実性を求めるなら指定保育士養成施設一択
保育士専門学校の「試験免除」というメリットは、決して裏道や抜け道ではなく、国が認めた「質の高い保育士を計画的かつ確実に育成するための正式なシステム」です。
合格率20%の国家試験に一人で挑み、いつ合格できるか分からない不安を抱えるよりも、指定保育士養成施設でプロの教員から直接指導を受け、同じ目標を持つ仲間と励まし合いながら2年間を過ごす方が、はるかに有意義で確実です。
本気で保育士を仕事にしたいと考えるのであれば、「指定保育士養成施設」である専門学校への進学を第一候補として検討し、確実に夢を叶えるルートを選んでください。